沖縄本島
2001
スリットギャラリーの家
今回の住宅は厳しい狭小敷地という条件ではあったが、クライアントのライフスタイルを十分に反映したシンプルなプラン構成で、建蔽、容積率、そして予算もすべてがギリギリのところで建てられた住宅であった。
狭長、狭隘の敷地、建物はこの厳しい敷地 (30坪弱)の中で自然に配置しようとした結果である。プログラムは、30代の若い夫婦と一粒種の七歳になる男の子の為の住宅であり、一階を駐車場、エントリー、二階にLDK、サニタリース ペース、三階にベッドルーム等のプライベートルームが配された。
敷地とほぼ同じ形態のコンクリートの箱を三分割にし、二階の中央部をテラスとして空に解き放ち、その壁面にはリズミカルに穿たれた300Φのボイドが隣家からの視線を遮る役目を果たしている。壁面のボイド、空に開放されたテラスからは、光、風、自然が室内に引き込まれ、住まいとして必要最低限の環境条件を整えることが出来たと考えている。
この住宅の最大の演出は、西側コンクリート壁面に、等間隔に打ち込まれた厚さ15mmの硝子のスリットの連続である。 内部空間に光のスリットがダイナミックに、またドラマティックに乱舞し、光のシャワーが創りだされる仕掛けとなっている。