沖縄本島
2003
琉球リハビリテーション学院学生寮
何らかの障害を持った人が機能回復のために治療や訓練を受けるのがリハビリテーションである。リハビリの職業というのは、ある時には身体的な治療だけではなく、患者の心もケアしなくてはならないケースもあるだろう。対人援助の資質が求められる職業だと思う。
沖縄本島の中央東海岸の町、金武町。1期寮は北西に恩納岳連山、南東には太平洋につながる金武湾に面した場所に位置し、2期寮は金武町のメインストリート(県道329号線)沿いに位置する。
1期、2期寮とも急斜面の敷地ということもありどのように克服するかが最大のテーマであった。敷地を簡単に漉き取って巨大な擁壁を構築するのではなく、周辺に広がる森林自然を破壊することを極力抑え、またコスト削減の観点からも土地の形状をなるべく壊さず元のままの姿を残そうと考えた。
プログラムとしては、1期、2期ともに専属の寮になるが、ただ単に寝る、又は生活する事だけでしかない寮ではなく、快適な住環境を提供することで、生徒達が勉学に思い切り励める空間を提供することと考えた。この一連の施設が金武町に活気を与え、創る側、使う側、受け入れる側全てのものが未来に希望の持てるプロジェクトであってほしいと願っている。