沖縄本島
2004
景色を楽しむ家
KUMIさんが新築にあたっていちばんこだわったのは立地で、部屋に居ながら素晴らしい景色を享受できる場所と考えていた。 そんなKUMIさんが三年の歳月をかけて求めた土地は、北谷町の丘陵地で眼下には美浜 (アメリカンヴィレッジ) と広大なキャンプ瑞慶覧を見下ろす場所であった。
この景色と開放的な素晴らしい眺望とは対照的に、崖地特有の環境や天候による地盤変化の脅威が心配され、その問題を解決する方法として、道路側のしっかりした大地からせり出すフォルムのデザインが導きだされた。
建物は完全なオープンプランで構成され、斜面側に面した眺めに向けては、パブリックスペースリビング/ダイニング/キッチンを連ね、開口部側からは、景色に向かって突き出したテラス が部屋との「内」と「外」の一体感をつくりだし ている。道路側には、エントランスホール/ MBR/サニタリースペースを配した。 晴れの日も、曇りの日も、雨の日にも、季節の光と風、雨を感じ、部屋の中に居ながら外の空気を肌に感じることができる空間が実現し、また大開口部からは自然を取り入れることによって、暮らしに潤いをもたらしてくれることであろう。