
沖縄本島
2007
おきなわ長寿苑/小規模多機能介護施設
これまで介護が常時必要な高齢者は、在宅介護には限界があり、施設入所というのが一般的であった。
しかし、生涯自宅での生活を望むという願望は人としてごく当たり前のことである。そこで、近年登場し新たに制度化されたのが小規模多機能型居宅介護である。
「施設の在宅」版といわれているように、多様なサービスを施設側が一体的・連続的に提供することで、在宅での生活継続を支援することが可能となった。今回はその
制度のサービス拠点を設計することとなり、沖縄では数少ない新築の施設となった。
「光の移ろいや自然を感じ五感に訴えられる空間」をコンセプトとし、日常忘れかけていた「自然・風景・時」を取り戻す。そうすることで利用者の自立した生活が営まれ、ここで働く人たちも輝きを放ち、誇りを持って、高齢化社会をリードしていく施設となるよう目指した。
敷地は県道から奥に位置し周囲は雑木林が生い茂る、尚且つ高低差のある変化に富んだ地形を持つ場所にある。東側の道路から敷地内へ進入し、緑や花に囲まれた遊歩道を辿り、メインロビーへとアプローチしていく。建物は、基本的には平屋であるが敷地の高低差をそのまま利用して、一部ピロティー形式を取り入れた構成となっている。円形型の部分にはエントランスホール/居間/食堂等のパブリックスペースを配し、内廊下/外廊下のある長方形の部分には、個室/浴室/便所等のプライベートスペースを配した。周辺に広がる森林自然を破壊することを極力抑えながら、まるで建物がずっと以前からあたかもこの場所に存在していたかのように、建物全体を自然の中に埋没させる配置とした。
AWARD
2010年 建築九州賞 入選 |