沖縄本島
2008
M-HOUSE 〜2つのテラスがある家〜
敷地は開発が進む嘉手納町のはずれの、まだ古い家々が残る住宅地に位置する。
今回の計画では、隣家が近接しており、面積的にも限られた敷地条件の中で、敷地を有効に活用しながらプライバシーの確保とともに、より豊かな内部空間をどのように創っていくかということを考えた。
第一に、駐車スペースを4台分確保する必要があった為、1階は玄関、ホール、寝室のみの必要最小限とし、リビングなどの面積を必要とするパブリックスペースは2階に、子供室は3階とし、2階にはウッドデッキとFRPグレーチングにより、和室からもリビングからも利用できる回遊性のある広いテラスを設けた。
さらに、ウッドデッキ部は屋根を設けた半戸外のテラスとし、内部とのつながりを考え、FRPグレーチング部は吹き抜けとし、地上、上階とのつながりを感じられるスペースとなるように考えた。そうすることにより地上層でありながらも、より外部とのつながりを持てる空間とした。
1階には階段下に水盤を設け、その水音が階段室を介して建物の各層に響き渡り、建物全体に潤いと癒しを与えられるように計画した。
外観としては、コンクリート打ち放しの壁の水平垂直ラインが織りなすシンプルなデザインとし、美しさを感じさせると共に、その壁によりプライバシーの確保もしている。また、バランスよく配置された壁は建物の圧迫感を緩和する役目も果たしている。
今後、開発や世代の交代等で変貌をしていくであろうこの地域の中において、新たな住環境のかたちを示したシンボル的な住宅となったと考えている。