Village SENAHA
高齢化社会と言われるようになって30年あまり、日本は超高齢社会へとさらに歩みを進めて続けている。
よく語られていることに2025年には、65歳以上の全人口に占める割合は実に25%をも超えるものとされている。この現状の中で、一見相反しているかのように現在特別養護老人ホームなど大型の老人福祉施設の新たな建設数は減少の傾向を辿っている。そして、そのかわり、色々なタイプの福祉施設やバリアフリー住宅が生まれ、今では小規模なグループホームや有料老人ホームなどが多く建設されている傾向が見受けられる。それはここ沖縄県でも言えることであり、その背景には、高齢者人口が増加していく中で、一部の少数派をケアする場所としての施設から、明日は我が身、と身近に老後を考える人口が増え、高齢者施設へついての認識が高まってきたことに要因があると言えるのではないだろうか。
それが、完全個室と自分の意志によるレクリエーションの参加や自由に選択できるサービス内容などという形にあらわれ、それを満たしてくれるものが大規模施設ではなく、もっと家庭的な小規模施設や多機能サービスだと考えられる。こうした『施設への入居』から『住居の住み替え』というような生活の質を重視する見解が一般に広く共有されることにより、ソフト面のサービスのみならず、施設(住居)という箱もののハード面も形状や規模が多様化し、今後さらに変化していくことが大いに考えられるのではないだろうか。今回、提案する建築物は、自立高齢者と介護が必要な高齢者の両方が住まう建物である。
老人福祉法のどの施設に属するかなどという枠におさまらない多機能、流動性を持った建物にしたい。
テーマは、
『高齢者が使いやすい環境デザイン、高齢者が自信と誇りを持って暮らしていける環境デザイン』
住み慣れた場所・住宅から住処がかわっても、居室には今までと変わらず愛用してきた家具や思い出の品々を飾れるだけのスペースを確保し、高齢者の生活拠点となる空間づくり。また、一人部屋もあれば、
夫婦での居住も可能な大きさの部屋もある。この部分は、訪問してくる家族が宿泊できる部屋としても
活用もできる。居室には、トイレと洗面、クローゼットを設置し、一人で過ごしたいときは居室にいても充分生活できるようになっており、皆で集まって住む利点として、プライバシーが確保出来る居室とは別に他の居住者たちとの談話を