
沖縄本島
2009
首里の家
この計画は、首里城を眼下に見渡せる眺望に恵まれた場所に建つ40代夫妻と娘さんのための住宅である。クライアントは先代からの土地を譲り受け、復帰直後に両親が建てた住宅を解体しての建替え計画である。クライアントの要望は良好な眺望を生かしながら、エアコンを使用しない暮らしを望まれた。
敷地は、住宅が混沌とした那覇市の高台に位置し、南側と西側に幅員4m弱の2面道路が接する正方形の狭隘な土地である。建物は隣地や道路からの視線を抑える為、窓の位置の配慮や、スカイライトの多用、そして眺望が期待される大開口部には木ルーバーを取り付けることで太陽光と通風の流れをバランス良く確保するよう努めた。
建物は3層の構成としている。1階は4台収容できる駐車場と玄関、サニタリースペース、主寝室、子供室などのプライベートルーム。2階にはLDK、和室などのパブリックスペース配し、最上階はご夫妻共用の書斎、そして那覇市内の景色が一望できる屋上テラスが配してある。
内観の仕上げについては基本的にシンプルなコンクリート打ち放しにし、空間に変化を与えるように木ルーバーや緑を配し、広がりと温もりを持たせている。外観については沖縄の強い西日に晒される壁面はコンクリート+断熱材+左官補修の上、吹き付けタイル仕上げにし、それ以外はコンクリート打ち放しとした。
コンクリートと白塗装がコントラストに塗り分けられ、そして視線を遮るために使用された木ルーバーがうまく溶け合い、旧市街地の中に強い主張をしない穏やかでシンプルな表情を与える住宅が出来たと考えている。
特に暮れなずむ頃、室内に明かりがともると、木ルーバー越しに映る人の移ろいや陰影が温かみのある外観を創り出している。