沖縄本島
2011
Connected.flow ~繋がり流れるように~
「水の流れのように導かれる」という詩的な直感で始まり、それにもとづくプラン構成によって成立した住宅である。自然光を空間に取り入れ、樹立する白い壁と光によって豊かな空間を創り上げることを大切に、余計なデザインを加えず、素材の種類を減らし、空間の質を高める。
人が住む環境として一番望ましい状態をどうコンディショニングするかという事を目指した。LDKを中心にして人が居る場所、人が流れる場所が常に庭を意識しながら空間構成され、内と外との繋がりが曖昧になり、自然を感じ対話を楽しむことができる場になったと考えている。また、中庭は建物に微風を招き入れ、影をも提供してくれる。
白を纏った空間は、ドア枠や窓枠など一切を省く工夫がなされ、余計なものが一切ない、限りなく質が活きるシンプルな空間になっている。それ故に、時間が経過しても飽きのこない建築、いつまでも淘汰されることのない建築を追求した。
光によって白い壁に映る陰が時を刻み、刻々と変化する。せせらぎや滝の水音、建築は人工的だが、それらのヴォキャブラリーによって、ここではまさに「自然」と「建築」が相互作用し、住むための環境を高めた快適な空間が実現できたと考えている。
AWARD
2011年 建築九州賞 |