
沖縄本島
2003
レゼル・アッシュ les ailes H
現状の賃貸住宅が一向に改善されないのは、オーナーと仲介業者が賃貸住宅を自己の利殖の対象としてしか考えて来なかった事が原因の1つである。いかに安く、限られた敷地の中で目一杯建物をつくり、本来人間に必要な快適な住環境を無視した、供給者側だけの主導で進められているところに問題があるように思われる。しかし、これからは総合的なバランス構築に努めなくてはならない。特定のターゲット、周辺環境との調和、収支計画、ライフスタイルの多様化に即した賃貸住宅と様々な視点から多くを考察していく事が求められているのではないだろうか。現在の沖縄の賃貸住宅の事情は非常に貧しく、悲しいものである。ただ単に寝るだけの箱でしかない賃貸住宅が大部分を占め、それらの住環境は決して良いものとは言えない。その結果として、近年の賃貸住宅には空室が目立ちはじめており、創る側にも原因究明と新しい提案が必要であると考えている。今回は那覇市(新都心天久)の新しい街に建つ賃貸住宅として、都市に住むメリット、喜びとは何であるかを考え、ここでしか味わえない素敵な暮らしを「それでも都市、このUビルで暮らしたい」と思えるような賃貸住宅を提案していきたい。