
老人介護施設/すこやか
施設は、先島諸島宮古島本島から更に30分程フェリーに乗った、伊良部島に位置する。日本渚百景に指定される佐和田の浜の近くにある潮の香り漂う、海岸線沿いに建つ。
クライアントはこの伊良部島で唯一、老人介護施設を専門とする企業を主宰する女性社長である。少子高齢化の波はこの小さな島でも深刻な問題で、介護される側と介護する側のバランスが崩れつつある。古からある子供、孫が親の面倒を見、最期をみとどける文化がこの島でも無くなりつつある。特に離島である為に若者は仕事を求めて島から離れ、高齢者だけが取り残されていく現状である。今回の計画はそんな中でこの島で高齢者が安心して暮らせる介護施設を目指したものである。
敷地面積は350坪。床面積90坪の平屋の建物は、施設の核となる機能訓練室兼食堂、静養室から東面にある中庭を囲むように配されている。
エントランスホールがある、南面と西面には回廊を設け、異形ブロックをL字にぐるっと廻し、上部には60×120@200の木製ルーバーを設けてある。西日を遮り、ルーバーにはブーゲンビリア等の南国の花々が咲き乱れ、施設内にやさしく陰を落とす。
施設内は、南面の玄関から正面に機能訓練室兼食堂を配し、西側に事務室、休憩室等。東側の中庭に面し静養室設け、道路側に水廻り、厨房等が配された。
みんなが集う機能訓練室兼食堂は4m強と天井を高く設定し、大きな掃き出し窓と高窓からは日中、自然光が差し込む開放的な空間である。又、各静養室は10m2弱と、決して広くはないがやさしい光が全体を包み込む快適な部屋となっている。
内部仕上げは、床材に天然木調のフローリング、壁・天井は落ち着きのあるやさしい色合いで統一し、カーテンや家具なども暖色系に統一されている。
今回の計画は、社名の一語でもある「なごみ」をテーマに家族のような「絆」が生まれ、人と人をつなぐ思いやりのデザインを心がけた。