沖縄本島
中庭でつながる家
■コンセプト
敷地は基地の返還から区画整理まで長い年月を経て、ここ数年でやっと建物が建ち並びはじめた宜野湾市の西側、周囲に大型ショッピングセンターやマンションなどが建ち並ぶ、新興住宅地域として開発が進んでいる地域である。そこに4人家族の為の住宅の設計をする事となった。
計画にあたりまず、周辺の4〜6階建てのアパートからの視線を考慮し、外周にはあまり開口部を設けず、敷地のほぼ中央に大きな中庭を設けることによりそこから光と風を取り入れることを考えた。
建物の約3分の1を占める中庭は床をデッキ材とし、リビングには大開口の折戸サッシを設け、レベル差も最小限に抑えることで、リビングとの一体感を出すとともにリビングと繋げ、またリビングから中庭を介し離れの和室を設け、和室とも繋がりある空間とした。
2階へは、二つの階段を設けゾーニングを分断させ、あえて外部スペースでつなげる計画とすることで、1階の中庭スペースを二階でも共有出来るようなプラン構成とした。
断面計画においては、リビングとダイニングの段差、吹き抜け、2階の二つのゾーンのレベル差などを設け、立体的に視線を交差させることにより、大きな中庭空間に求心性をもたせるような計画とした。
今後さらに開発が進んでいくであろうこの地において、落ち着いて、安らぎを感じられる住まい方の出来る住宅となったと考えている