沖縄本島
2016
OSD本社ビル
本社ビルは、米軍基地が近年返還された北谷町桑江伊平地区区画整理地域内に位置する。周りには行政機関や銀行などが建ち並び、主要幹線道路に接する比較的交通量が多い活気に満ちた場所にある。
クライアントが経営する会社は、スタッフ20数人規模で店舗開発、土地活用などデベロップを中心に県内で活躍する企業である。
建物の外観は、コンパネベニヤと杉小幅板張りコンクリート打放し仕上げの2種類を縦のラインと横のラインをコントラストに使い分けしており、至ってシンプルなコンクリートボックスの3階建てのオフィスビルである。1階は賃貸機能として貸出され、2階と3階がオフィススペースとなっている。
1階のメンインアプローチを進入していくと、伸び行く先に縦に広がる水盤が視覚と聴覚に心地よい空間を演出。奥のミーティングルームの地窓からはプライバシーを守りながらも水盤の音色や水面の揺らぎが楽しめる。
建物内部は、中央のメイン階段で繋がれたコンクリートボックスが2分割され、1階から2階、3階へのアプローチは3層吹き抜けとなっている。2階中央には、環境制御性能を持たせたシンボルツリーがある光庭が設けられ、「自然光と緑」で来訪者を心地良く迎え入れる。
余計なデザインや素材を多く使用せず、ごく限られたモノだけで、より質を高めコストパフォーマンスにも配慮した建物を目指した。ここで働くスタッフの発想や想像を促進するような、知的創造空間を追求する空間をデザインする事が、今回我々に課せられた最大のミッションであったと考えている。