
八幡西区の家
北九州市八幡西区は、臨海部の重化学工業の発展とともに栄えてきた街。その閑静な住宅街の交差点に位置する建物は、ご夫婦と二人の愛娘が住まう木造住宅である。
そもそも、遠方にも関わらず我々に設計のオファーを頂いたのは、御夫妻のコンクリート造住宅への強い憧れがあり、そこでコンクリート造の実績が豊富な我々が設計依頼を受けることとなった。
しかし、打ち合わせを重ねた結果、御予算と希望されたボリュームとのバランスが上手くいかず最終的には、コンクリート造のようにガッシリとした力強さのある表情をした、木造2階建住宅で設計がスタートした。
敷地の北東側には、公園の緑と私立中学校庭園の視野の広がりがある。それらを借景として捉えつつ、残る三方向は隣接する建物が近接している為、互いの視線が交差しないようクローズ性をもたせたプラン構成とした。
住宅内へは北側道路側から玄関へとエントリーされ、微かな水音と波紋が奏でる水盤と豊かな植物に取り囲まれるように計画された中庭1,2を見ながら軽やかな鉄骨階段によって1階と2階が結ばれている。
1階にはロフトのある子供室、ゆったりとしたウォークインクロークが備えられた主寝室、更にサニタリースペース等のプライベートルームが配されている。
2階の核には、リビング、ダイニングキッチンが配され、どの位置からもリビング前のデッキテラスを介して、公園/私立中学校庭園の緑に広がる景色が常に感じられる。家族が常に居て、団欒するこの場所こそが、この家で1番居心地の良い場所となっている。
白を基調とした外壁と、適所に配された豊かな植物、目隠しや建具に無垢の木材を使用する事などによりもたらされた外観は、古風な木造住宅群が建ち並ぶ周りの建物風景とは、一味違う清潔感と温かみ、そして緊張感をもたらしている。