
沖縄本島
2020
Riad Lamp
建物は東海岸を一望する南城市知念村の高台に建つ、5室のみの隠れ家的プライベートホテルである。クライアントは中東を旅して行くうち、その魅力に取り憑かれ、行く先々で収集した小物や調度品を生かした空間が創れないかとの想いから、今回のプロジェクトがスタートした。そしてホテルはリヤドランプ(アラビア語で庭園を意味する)と名付けられた。
ホテルは神の島、アマミキヨ伝説が残る久高島と大海原を見渡す、小高い山の森の木々に囲まれた中に静かに佇む。小鳥の囀りとほのかな潮の香りと共に全ての部屋、テラスからは朝日を望み、夕陽が迫るといつしか満天の星が輝きはじめ、更に満月には海に続く月明かり道がホテルを照らす。
ここではまさに都会では体験できない森羅万象の豊かな出来事と共に時間が刻まれていく。
外観を微かな光で照らすモロッコランプ、現地の職人が製作した手彫りの装飾品、ドアや窓。落ち着いた色彩のタイル、漆喰を塗った手触りの良い化粧台やバスタブなどが非日常的な空間を演出する。
県外出身のクライアント夫妻は沖縄に何度か訪れるうち、いつしか見えない力によって自然に囲まれた、この場所に引き寄せられるようになり・・・。
そして、ノマド(遊牧民)生活からこの地を安住の棲家と決められた。
今回我々は、クライアントの希望に寄り添った中東の装飾的な建築イメージをシンプルにかつ違和感なく表現し、沖縄の文化や原風景を破壊せず自然に溶け込ませ、更に緑茂る岩山と一体化した、悠久の存在感を醸し出す建物を創出する事を目指した。