沖縄本島
2024
百名 Villa
建物は本島南部南城市百名の海岸線から山側に向かった高台に位置し、近くには世界遺産に登録される斎場御嶽や百名の浜海の中にあるヤハラヅカサが見渡すことのできる場所にある。
建物形態は、麓の突端に位置しているため、日常時にも海側からの強風に晒され、さらに台風による猛烈な風雨にも耐えうるよう、建物は緩やかな曲線を描き、風の流れに叛くことのない形態を示唆している。
クライアントは東京首都圏を中心に手広く雑貨店を営む会社のオーナーで、この建物はスタッフのための福利厚生施設として利用される予定である。
800坪弱にも及ぶ広い敷地に、西側の公道からそのまま車でアプローチし、ビルトインガレージへと導かれる。建物内へは駐車場に隣接する玄関からエントリーして行き、海側に向かってエントランスホール、アウトドアテラス、心地良い水音が聴こえてくる水盤、健康増進のためのアスレチックジム等がレイアウトされている。
メインフロアーへは建物形態に沿う曲線を描く蹴上の緩やかな階段によって上階へと導かれていく。辿り着くとそこからは天井まで伸びた前面ガラス張り越しに、百名のマリンブルーに輝く白波の海とその先にある島は、ニライカナイからやって来たアマミキオが降り立ったとされる久高島を見渡す圧巻な景色が広がっている。
ほかマスターベッドルーム、個室3部屋、広めのウォーキングクローゼット、サニタリースペースなど配されている。
屋上階は大勢の社員や家族が集い、沈む夕陽を見ながらバーベキューパーティーなどのイベントが可能な広さのスペースが用意さている。海側に向かって湾曲な建物に沿って仕上げられたデッキテラスは強い陽射しに考慮し、躯体との間に空隙が設けられ可能な限り陽射しを和らげられる工夫がなされている。